被災地を見てきた

・今年のGWは有給休暇組み込むと10連休
・近々、高速道路上限1000円の割引が廃止されるっぽい
・自粛とか風評被害とかいって、東北方面の行楽地は空いていそう
・あわよくば、渋滞知らずな上に安い料金で遊べるかも
・東北で遊んでお金使って「復興支援」て言い張れば、なんかいい事した気分

というようなことを考えて、5/1〜5/5まで、4泊5日で東北に行ってきました。
せっかく東北まで行くんだから、復興作業のじゃまにならない程度に、多少の野次馬根性は多めに見てもらって、津波の被災地も見てくることにしました。テレビで繰り返し見すぎたせいで感覚が麻痺してしまって、なんだか被害が遠い世界のことのように思えてしまっていたので、自分の目で見ることで意識が変わることもあるかなと思ったのです。

訪ねたのは、震災後最初期に報道のカメラが入ったためテレビでも多く取り上げられた、仙台市若林区。

仙台駅周辺は、川崎駅周辺となんらかわらない、駅ビルとデパートとアーケード街に休日を楽しむカップルがたむろす平和な街でした。ところどころ、ガラスが割れて段ボールで塞いである窓があるくらいで、地震の影響を感じることはほとんどありません。
駅を出て、海に向かって東に車を走らせると、徐々に様相が変わってきます。地面と高さがあっていない入り口や、曲がった看板、スクラップになった車をひとまとめにしてある駐車場、墓石が全部倒れてしまった墓園。仙台東部有料道路をくぐるあたりからは、家や店の壁には、津波が到達したことを示す泥の線が目につくようになります。

そして、一番海岸沿いの県道10号線に出た直後、世界が一変します。世界の境界には、一軒の立派な日本家屋が立っていて、おばあさんがめちゃくちゃになってしまった家の片付けをしていました。その日本家屋の向こう側数キロにわたって、ただひたすら瓦礫だけの世界が続いています。残っている家は文字通り一軒もありません。

本当は、車を停めて写真を撮ってこようと思っていたのですが、道路脇がすぐ瓦礫なので路駐できるスペースがほとんど無く、復興作業のトラックが頻繁に通るのでじゃまになるわけにもいかず、それよりも何よりも、そんな観光気分が吹き飛んでしまうあまりに重たい光景に、走りながら窓越しに数枚撮るのが精一杯でした。

今回の僕の気軽で不純な訪問が、現地の人にどの程度迷惑になったのか、あるいは、僕一人であればたいしたことなくてもどの程度大勢が押しかけたら迷惑になるのか、わかりません。でも、もしそれほど迷惑になっていないのなら、あの光景は自分の目で見る価値があると思います。
それは好奇心を満たすためではなく、何ヶ月後か何年後かに、みんなが「頑張ろう」に疲れ、義援金に飽き、チャリティが商業主義にまみれた後で、「まだ復興とか言ってるの?」と思わないために。

地震を機に、防災についてちょっとだけ考えた

また放置してました。

3.11の大きな地震とその後ひっきりなしに続いた余震で、首都圏に住む僕も否応なく「非常時に自分の身を守ること」について考えさせられました。そのことについてちょっと書いてみます。

備えあれば憂いなし、っていうけど、「備え」って言われてもずいぶんと曖昧なわけで、すべてのリスクに備えることは実際不可能だし、過剰なリスクマネジメントは逆に快適な生活を壊しかねません。各人の背景に応じたほどほどの備えと心構えをしておくことが大事ですよね。
そんなわけで、僕、川崎在住、都心勤務、既婚、子供なし、賃貸住まい、がどんな準備をしておけばいいか、を考えてみました。

1、部屋を借りる(あるいは購入する)ときに、災害リスクを考える
たぶんこれが一番大事。洪水、津波、土砂崩れ、液状化、などの被害を受けにくい土地を選び、耐震強度の高そうな建物(見ただけじゃなかなかわからないけど)に住む。あと、近いうちに関東でも大地震が起こると信じるなら、それまで家は買わないという手もある。幸い今住んでる部屋は災害耐性高そうなので一安心。

2、水、火、照明、寝るところ
こういうときにアウトドアグッズがそろっていると強そう。テント、寝袋、調理器具、照明器具は一通りあるので、あとは水を手に入れればOKと思い、アウトドア用の浄水器を買った。泥やバクテリアを除去できるから、多摩川の水くらいなら飲めるはず。普段使わないときはザックに詰めて、持ち出しやすいところに置いておこう。

3、ネットに依存しない連絡手段を確認しておく
ネット全滅とか今や想像できないけど、実際に起こりえるので心構えだけはしておこう。あと、停電だけど携帯網が先に復旧、というパターンもありそうなので、太陽光発電が使える携帯の充電器があると良さそう。こちらは未購入。

4、とにかく実家にたどり着く
これは普通の人には当てはまらない特殊なケースだと思うけど、僕の場合実家にたどり着ければ生き延びられそう。近所に農家が多く、地域コミュニティが残っているから、食べ物は何とかなりそうだし、水も裏山に湧水がある。都市部より人口が少ないのでパニックとかもなさそう。1日か、道路がヤバいことになってても2日歩けばたどり着けるはず。登山靴重要。

こんなところですかね。

生まれてこのかたずっと「もうすぐ関東大震災が来るから」って言われ続けているので、いっそ早いところ来てくれたほうが楽になれるのに、って思います。年取れば取るほど、失うものが多くなるだろうことが想像できて、そのことで怖くなりますね。